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2008年5月11日 (日)

柔道とJUDO

大相撲が海外で人気がある理由を考えてみました。相撲は謙虚で大人しい大男が一旦土俵に上がると鬼の形相になって巨漢同士がぶつかり合って戦いますが、勝負が付くと勝者が敗者に手を貸して土俵の上に上げ次の日には昨日の宿敵から柄杓で力水を貰い一礼します。土俵の上では鬼ですが、その後は普通の人よりも大人しくガッツポーズをしてエキサイトしたり相手を挑発するようなことは一切無く、ただ淡々としている処が日本人にとっては当然のメンタリティでも海外の人から見ると「何故そんな風に出来るのか」と力士に日本の侍の姿を見るのかもしれません。

柔道は国技ではありませんが日本のお家芸といわれるほど有名なので海外では国技と思っている人が多いのではないでしょうか。また、日本の多くの青少年が柔道をしていると思っている人が多いと思いますが、現在の日本の柔道登録人口はフランスの3分の1でしかありません。ウェストサイド物語などでは、喧嘩のシーンで良くボクシングの構えをしますが、日本人は相手を傷つける拳を使わずに組み合います。それは相手の顔面を殴るという行為は良くないというメンタリティがあるからではないでしょうか。戦国時代、それぞれが名乗りを挙げ戦うスタイルから方式が変わり織田信長は鉄砲隊を第一の戦闘部隊にしました。しかし、飛び道具は弓矢までというメンタリティがあって戦いにも美学を求めた日本人は世界でも希有な存在だと思います。

アテネオリンピック以降日本柔道は低迷が続いています。日本の華麗な一本を取る伝統柔道から西洋の力強い柔道、「柔らの道」ではなく横文字の“JUDO”に取って代わろうとしています。そこに精神性はなく、レスリングと柔道の中間を位置するような先方で相手に間合いを与えません。間合いがあれば技で大男に勝てますが小さい男の方は技をかけられなくなってしまい一本取ることが出来ません。西洋人は東洋人よりも平均的に背が高く腕の長さも長いので近寄らせずに相手の技を封印し、勝つことだけに執着するといった柔道に転換しています。井上康生さんが、引退を表明しましたが最期まで一本勝ちという自分のスタイルを貫いたため西洋の柔道の得点制に阻まれた線が濃厚です。NHKの番組で五輪代表の有力候補だった棟田康幸さんから優勢勝ちを取った石井慧さんなどは勝つために西洋式柔道を取り入れました。石井慧さんは国際合宿で自分より30センチ以上も高いヨーロッパの選手に練習試合を申し込見ましたが悉く断られました。ライバルに手の内を見せたくないからです。日本人であれば逃げるのは卑怯という観念から対戦すると思いますが、それは西洋では通用しないのでしょう。つまり、精神無き柔道と柔らの道が否応なしに対戦せざるを得ないという状況なのです、勝つことを目的とすれば日本の柔道の精神が失われていきます。相撲界でも朝青龍の横綱としての品格が言われていますが精神なき戦いの美学に国民は賛同するのか、それとも新たなる精神性を望むのか岐路に立たされているような気がします。

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