三洋電機②
創業者・井植歳男さんは創業にあたって社名を三洋電機と名付けました。
これは太平洋、大西洋、インド洋、この3つの海につながる国々いわゆる全世界を表わし、世界を相手に人間、技術、サービスを三本の柱としてすすんでいこうとするもので事業対象と事業方針を表したものです。その名門企業が何故、現在の様になってしまったのでしょうか。この要因は学習塾で言えば能力別学級を導入したことにあると考えます。三洋電機は00年4月から、全社員の定期昇給を廃止して成果型に切り替えました。課長級以上には、基本給に相当する安定的な固定部分を廃止する完全成果主義の年俸制を導入し成果に対する評価は部門業績、個人業績の両方が判断材料としました。
松下村塾は3年の間に久坂玄瑞、高杉晋作、吉田稔麿、入江九一、伊藤博文、山県有朋、前原一誠、品川弥二郎、山田顕義、野村靖、飯田俊徳、渡辺蒿蔵(天野清三郎)、松浦松洞、増野徳民、有吉熊次郎という著名な人物を輩出しています。同じ時期に広瀬痰窓の咸宜園(かんぎえん)がありました。そこは今で云う東大を目指した進学塾で1級~9級までの9段階に分けられていました。入門者は80年間で約4800人でしたが、そこからは明治維新の立役者は出ていません。
余談ですが私の弟は運動会の練習中で、どうやって騎馬戦で勝つかという考えています。ネットで検索して騎馬戦の必勝法を印刷して学校に持っていき作戦会議をしているそうです。クラス対抗ですので何とか優勝したいと思っています。この時ばかりは勉強の出来る子も出来ない子も腕力の強い子も弱い子も全員が一丸となって勝つ為に真剣になって作戦を練っています。勝つという目的があるので分があると思えば、どんな子の意見にも耳を傾け皆がそれに賛同します。そこに目標があるので普段にはないクラスの団結力が生まれているようです。今、団体戦の8組で対戦する場合は5組が牽制し3組が攻撃するという陣形を考えていて、その為には、どの騎を牽制に回すのか或いは攻撃にするのかと家に帰っても子供達は考えているとおもいます。
これは企業も同じではないでしょうか。仮に能力別にして運動神経や体格でクラスを分けたとします。しかし、そこに団結の精神は生まれません。「俺はどうせダメなんだから真剣にやっても仕方ない」「真面目にやるだけ馬鹿馬鹿しい」と卑下する心から勝利への道が遠ざかります。そして上手くいかないので反省会では「真剣じゃない」「お前がいるからダメなんだ」という罵り合いが始まり結果として勝つことが出来なくなると考えます。
日本人には日本人のメンタルティーがあります。心を込めた贈り物でも日本の場合は「つまらないものですが」と言いますが欧米では「こんな素晴らしい物はないのでプレゼントする」というアクションで渡します。受け取った日本人のほうは「有り難う御座います。私の為にここまでしていただいて」という様な御礼の言葉が先に出ますが欧米の場合では「素晴らしい、欲しかったものです」と感激が先に来ると思います。このように日本と欧米(主にアメリカ)では全く正反対といって良いほど様式が異なります。例えば日本は江戸時代に士農工商で身分が分けれていましたがアメリカのような奴隷制度はありませんでした。種子島の鉄砲が有名ですが戦国時代、日本はど鉄砲所有量世界一でしたが戦乱の世が終わるとピタリと鉄砲の技術開発を止めました。これは欧米では考えられないことだと思います。他にもノコギリの歯も引く方向が逆のようですし名前も日本が名字から名乗るのに対し名前・名字の順で名乗ります。日本の食文化は野菜や魚を中心としたのに対しアメリカは肉中心です。
つまり三洋電機はアメリカ方式の能力別を採用し、それにより前述した騎馬戦のような状況が生まれ、そこから綻びが出てきたのではないかと考えます。三洋電機は富士通方式を真似をだったという説があります。富士通も三洋よりも早くアメリカ式を採用し10年ほど前には人気を得ていた富士通が低迷していった要因がそこにあったようです。よって、その人にあった薬の処方箋が必要な様に野菜・魚体質の日本人にあったメニューと処方箋が必要なのではないでしょうか。これはアメリカを模倣して取り入れる事に反対しているのではありません。日本は昔から和魂洋才というように外国文化の良い事は取り入れてきましたが魂まで変える事はありませんでした。よって本質や根本は核として貫いて必要なものだけを取り入れる考え方をした方がいいのではないかと思います。
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