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2008年6月24日 (火)

地球ドラマチック 『象はなぜ殺し屋になったのか』④

当時ゾウたちを殺し続けた人間を更に追い詰めていたのはアミンという男でした。アミンは1971-79までの8年間ウガンダの大統領だったのですが『黒いヒトラー アフリカで最も血にまみれた独裁者 人食い大統領』などと称され現にインド系の移民を30万人以上虐殺しました。 

1970年代、アミン政権から激しい粛正を受けたマサイの部族の年長者が次々と処刑され一世代の男性が根こそぎ殺されました。目の当たりに親たちの処刑を目撃した子供達は街をうろつき集団で暴力を振るうようになりました。生き方を教えてくれる親世代の喪失と小さいときのトラウマが子供たちに心的外傷後ストレス傷害(PTSD)を与えたことは明らかでした。

同じように子供頃、目の前で母親が殺されている姿を脳裏に刻んだゾウたちは大人に成るにつれ今まで考えられなかった行動を取るようになっていった訳です。牛を殺しサイを殺し人を襲う。一連の犯人が全てゾウであると分かるまでには3年近くの歳月が掛かりました。 そして、その要因はアミンがある部族の一世代の男達を虐殺して、それを子供の時に見ていた子供達の暴力的異常行動と同じ現象が、まさかゾウにも起きるとは思っていなかった訳です。

つまり人間はゾウに戦争を挑みかけるように丸ごと一世代のゾウを消しました。群れのリーダーも大人のゾウも消え去りゾウの社会は完全に崩壊。クインエリザベス公園では95%ものゾウが根こそぎ喪失しました。残された子供のゾウは全員が孤児子になってしまった訳です。前述したように子ゾウは夜中、眠っているときでもラッパのような鳴き声で泣き出しました。ラッパのような声とは大人のゾウが仲間に助けを求める時の叫びです。通常なら子ゾウは、まだラッパのような声は出せないのですが親たちのゾウが人間によって殺戮されていく時にあげた甲高い声を夢の中で蘇り再現していたかも知れません。
 
天の摂理で、この世の中は絶妙なバランスが保たれている時、平穏無事に暮らせます。ところが権力を手に入れた人間は時として「天に挑戦する」という暴挙に出ます。暴力を受けたものはその鬱憤を晴らすかのように自分より弱い者たちに襲いかかります。そうした連鎖がついにはゾウたちにまで及んでいった訳です。

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