« コメント有り難う御座います。 | トップページ | 『たそがれ清兵衛』に思うこと② »

2008年6月11日 (水)

『たそがれ清兵衛』に思うこと①

この映画は国民的映画『男はつらいよ』の山田洋次監督初の時代劇作品でした。清兵衛は戊辰戦争で没しますから(戊辰戦争 新政府軍と旧幕府軍の間の一連の戦い1868年1月の鳥羽・伏見の戦いより始まる)時代背景は1860年頃の設定だと思います。

山田洋次監督はエロ グロ ナンセンスを払拭した日本人のメンタルティを描く稀有な映画監督で黒澤映画・小津映画並ぶ山田映画とも言うべき感があり外国の人が寅さんの映画を見て笑ったり泣いたりするような日がくれば日本人の心は世界の人にも共感されているという時代になるのではないでしょうか。

しかし観客動員数を上げることが目的化されると映画を見た観客がマイクが来ると競うかのように「感動した 感激した 涙が出た」と異口同音にいいます。自分独自の視点とか考えを言う価値観はないのでしょうか。私は当然、映画作りの大変さは分かりませんが刺激的な映像を使わず過剰なBGMを使わず奇を衒(テラ)った演出をしないで人々に訴えていく作品作りは大変だなと思います。

黒柳徹子さんが寅さんを演じる渥美清さんに「ところで山田監督は、どうしているんですか?」と尋ねると「今頃は旅館(スタッフと泊まり込みでシナリオ作り)で血の汗を流していることでしょうよ」と応えたので黒柳さんが渥美さん永眠の後に、その事を山田監督に話すと「やっぱり渥美さんは分かっていたんだな。私には、そんなこと何も言わなかったんですよ」といっていました。名優にして名監督を知るとでも言ったら良いのでしょうか。

因みに『たそがれ清兵衛』は日本アカデミー賞を受賞しました。原作は藤沢周平さんの短編小説なのですが文献が非常に少ないため映像化するにあたっての資料が乏しく映画化には暗雲が立ちこめていました。山田監督に「まさに制約だらけの世界の中での挑戦」と言わしめました。しかし不屈の精神で構想に10年以上、時代考証に1年以上かけ夜間のシーンなどは当時の明るさをリアルに表現するために当時の家に入る光加減での撮影を敢行。屋内での余吾との決闘シーンでも電灯、蛍光灯のない当時の昼間でも家の内の暗さを表現しています。

そのかいあって2002年度(第26回)日本アカデミー賞史上2度目の全部門優秀賞受賞を果たし、助演女優賞を除く全ての部門で最優秀賞を獲得しました。

この記事を読んで良かったと思った方はランキングに投票して下さると嬉しいです。 

|

« コメント有り難う御座います。 | トップページ | 『たそがれ清兵衛』に思うこと② »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『たそがれ清兵衛』に思うこと①:

« コメント有り難う御座います。 | トップページ | 『たそがれ清兵衛』に思うこと② »