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2009年5月 3日 (日)

金川被告の初公判

 前回記した通り、私は、殺人に関する事は苦手なんですが、ちょっと私見として記します。

 去年の三月23日。茨城県土浦市のJR荒川沖駅で通行人が次々と刃物で刺し、2人が死亡、7人が重軽傷という事件を起こした金川という男性の初公判が始まりました。金川は被害者の傷口を写真で見て失神して、一時、退廷する場面があったようです。

 報道のJNAは、金川被告に取材をしていました。
その中で、「全ては運命だ。運命は変えられない。私が正義だ。私が法律だ。私の言葉が正しい。私の行動が正しい」と書いた手記を送っていたので、失神報道は意外でした。

 高校二年の時、「子供のための哲学対話」という本を読み、人生観が変わったとか。その1ヶ月後、沖縄の修学旅行では戦争の惨禍を伝える施設を巡ったようで、犠牲となった女学生を慰霊するひめゆりの塔。平和記念資料館を見学。その感想文で、「私に何を学べというのだ。戦争の恐ろしさか? そんなもん今の平和な世の中に生きている私に分かるはずがない。死んでいった少女達に同情でもしろというのか? 少女達には悪いが、所詮、あんたらは死ぬ運命にあった。運命を変えることは出来ない。自分でも分からないが、只一つ言えるのは、俺は日本人が嫌いと言う事だ。地球人が嫌いだ」と記しています。

 「人間が嫌いだ。人を殺す。早くしないと殺す。死刑にしないと殺す。自殺は苦しいから死刑がよい」と手紙で書いています。

 今、不況に発し、日本でも自殺者・11年連続3万人、昨年の10月(リーマンショック)は一ヶ月で3000人を越えるという状況です。 自分で自分を殺すのは痛いからイヤだ。例えば、自分で自分に注射するのはいやだが、順番で注射を打たれるのであれば観念出来るという論理なのでしょう。

 更に、手紙では「死刑による自殺が犯行目的。死刑にしなければ刑務所から出て裁判官を殺す。逮捕後、殺すのは誰でも良かった」とも言ったようです。

 ところで、高校二年の時、子供のための哲学対話を読み、人生観が変わったという問題の本ですが、これは父親が息子の金川被告に与えたものだそうです。著者は永井均教授(日大教授・哲学者)ぼく(主人公)と猫のベネトレが会話しながら、人間は何のために生きているのか、善と悪を決めるものなどについて考える本だと紹介されました。

 本の中で「世の中が君に与えることが出来る一番重い罰は死刑。死刑以上の重罰はない。つまり世の中は死ぬつもりなら何をしてもいいってあんに認めている事なんだよ。認めざるを得ないのさ」という部分があります。金川は、これを「高校2年の11月に読み、死刑になる覚悟があれば、人を殺しても構わないと受け取った。この世界で生きるのはイヤになったが、自殺は痛くて苦しいから死刑になるしかない」と思ったと述懐。

 それから8年後、犯行に及びました。ところで、この本の作者の永井教授は「もし死刑になりたいとか殺されたいと思っている人ならば、殺されるしかたとしては人を殺すことによって殺されたいという推論自体は間違っていない。間違っているのは元々の願望・傾向・欲求」と答えました。金川の父親は、きっと大学の先生が書いた本であるから安心、多感なときに、人生を考える事は重要だと思ってプレゼントした本が、結果として仇となってしまった訳です。

 父親が、子供に、それも分かりやすく書いた哲学書を渡した行為が裏目に出てしまった。父親に同情します。それにしても、書いている文章もJNNのインタビューに答えたコメントも、正直、私には理解できません。以上のことは、特別の例ですが、『青は藍より出でて藍より青し』『白檀は双葉より芳し』『出藍の誉れ』などは、弟子が師匠を越えたときに使う言葉です。

 『三つ子の魂百まで』幼稚園から小・中・高まで14年間も教育した成果が、大学で花開いたのが、全共闘世代であるとして『19歳から団塊世代の皆様へ』としたのですが、生きるとか、人生とかを考えるときの良書を手に取った人と、悪書を取った人とでは、余程、違うものなのでしょう。

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コメント

荒川沖駅です

投稿: | 2009年5月27日 (水) 22時18分

訂正しておきました。

投稿: ゆうき蘭 | 2009年5月27日 (水) 23時24分

あなたの言う良書ってなんですか?悪書ってなんですか?

投稿: 梵 | 2009年6月 4日 (木) 22時01分

聖書を良書と思う人もいれば、悪書と思う人もいるでしょう。

例えば、ゆうき蘭さんがよく引用している「右の頬を打たれたら左の頬をだせ」という教えも、良しと思う人もいれば悪しと思う人も居ます。

この勇気凛々というブログも、良いブログだと思う人もいれば悪いブログだと思う人もいるでしょう。

彼女の考えをブログに発表しているのであって、良い悪いは読んだ人それぞれによって違うでしょう。

投稿: 哲じい | 2009年6月 5日 (金) 10時12分

まあ、他人の本をとっつかまえて「悪書だ」と言う割には、
「私には理解できません」としかその理由を書いてないからね。

投稿: kataronia | 2009年6月 6日 (土) 11時46分

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